特許明細書は、明細書、特許請求の範囲、要約書、図面で構成されています。
以下、各書類の役割、特徴について説明します。
明細書は技術文献としての役割を担うもので、詳細には【発明の名称】【技術分野】【背景技術】【発明が解決しようとする課題】【課題を解決するための手段】【発明の効果】【図面の簡単な説明】【発明を実施するための形態】【符号の説明】等の各項目別に、それぞれの項目に沿った記載がなされます。
したがって、各項目順に読み進めていくと、前段部分で、その出願に関わる発明が、従来のどのような課題に着目し、それをどのような技術的手段で解決し、その結果、どのような効果が生まれているのかを理解することが可能となります。読み進める上では、この点をしっかりと特定するようにするとよいでしょう。
特許請求の範囲は権利書としての役割を担うもので、発明ごとに【請求項】という項目で区分けされて記載がされています。請求項では、多くの場合には、物の発明であれば、それを構成する構成要素を併記し、方法の発明であれば、処理手順等を併記していますので、その発明が、どのような構成要素、処理手順により規定されているのかを特定するように読み進めるとよいでしょう。
要約書は特許調査のために活用されるもので、400文字以内で発明の概要が記載してあります。
特許調査の際には、この要約書を先ずは査読して、調査対象に関わりのある特許文献であるかどうか、あたりを付けるとよいでしょう。その際、選択図が1つ選択されていますので、その選択図を見ながら読み進めると、理解に役立つと思います。
図面は、明細書の実施例の理解を助ける役割を担っています。明細書の【発明を実施するための形態】では図面を参照しながら、実施例の説明記載がなされていますので、図面を参照しながら、参照符号をたよりに構成を1つ1つ特定しながら、読み進めるとよいでしょう。
発明は、従来技術に比して「有利な効果」を奏する場合にはじめて進歩性が認められ、特許されるわけですから、明細書を読み進める場合でも、その発明が、従来のどのような課題に着目し、それをどのような技術的手段で解決し、その結果、どのような効果が生まれているのかを理解することは極めて重要となります。
この点を頭に入れた上で、特許請求の範囲を読めば、複数記載されている構成要素のどの点がポイントとして認められ、特許される/されたのかを探る一助となるかと思います。
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